インド大使平松健二氏は、インドへの投資と貿易環境は、モディ氏が首相に就いた後に改善したと語りました。
インドへの日本企業の投資は着実に成長しており、インドに拠点を置く企業はますます増えていると語っています。インド市場に参入した直後に日本の企業が利益を上げることができないことは、抑止力とは見なされていないと彼は言います。平松氏はまた、Asia-Africa Growth Corridor(日印シルクロードアジア・アフリカ成長回廊)の背景にある概念を説明しており、それを中国が進める China’s Belt and Road Initiative(シルクロード経済ベルト ) の先導力に対する反論ではないと語りました。
日印貿易額は約160億ドルです。 これを更に上回る為に何ができるでしょうか
平松氏 :二国間の貿易関係を強化する余地があると思います。 我々はすでに日本・インド包括的経済連携協定 (CEPA)に署名しています。 そしてこの枠組みの中で貿易関係を改善するために定期的に議論をしてきました。
インドで自社製品を生産しているいくつかの日本企業と同様に、彼らは自社製品を日本に輸出し始めています。 また、インドに生産拠点を持つ日本の製薬会社も、自社製品を日本に輸出することを計画しています。これは二国間の貿易額について話しているだけでなく、日本の投資、特に製造業に関して動きがあることを述べています。
ご存じの通り、日本はインドの製造業における最大の投資国の1つです。昨年の日本からインドへの投資総額は47億ドルで、前年度の26億ドルから大幅に増加しました。つまり、多くの企業が事業拠点や製造拠点をインドに移しており、ここで製品を製造してインド市場で販売しています。また、様々な機械部品を製造しており、発展途上国の産業または地元の部品産業でもあります。
それは我々が二国間貿易額についてだけではなく、より広い内容で話しています。ここインドで製造された製品は日本に輸出されていますが、アフリカ、中東などの近隣諸国を含むより広い世界市場に輸出されているため、日本企業はインド市場だけではなく世界市場にいると言えます。
モディ政府は、ビジネスのしやすさを改善することに重点を置いています。インドでのビジネスのしやすさについて日本の企業から寄せられたフィードバックはありますか?
平松氏 : 日本企業がインド市場を非常に前向きに見ている理由はいくつかあると思います。1つは、モディ政府がインドの投資環境を改善するために行った非常に積極的で前向きな取り組みです。また、現在のインドは成長市場にあり、成長率はおよそ7%~8%です。インドはまた非常に安定した政権です。改革、規制およびビジネス環境をより簡単にするための、多くの新しい先導力があります。
私は、モディ政権後、投資や貿易環境がより良くなったと日本企業からフィードバックを得ました。ですから、インドだけでなく東京でも、日本企業にとって日本は非常に重要な市場であることに、熱意があると思います。
しかしながら、インドでの参入間もない日本企業は、あまり利益を上げていないようですが?
平松氏 : 残念ながら参入をしようとしている人たちへの抑止力も多少あるかもしれませんが、しばらく時間がかかるでしょう。私はインドでビジネスをしたいなら、中長期的な視点を持つべきであると助言をします。これは非常に大きなビジネス市場ですので、たくさんの機会と利益がありますが、それは少し時間がかかります。長期計画と展望が重要です。
このように説明をすることにより、参入を考えている企業の方々は理解を示しています。
Asia-Africa Growth Corridor(日印シルクロードアジア・アフリカ成長回廊)についての詳細を教えてください。
平松氏 : これはとても重要なプロジェクトです。安倍晋三首相は、アフリカと東アジアを結びつけるための自由で開かれたインド太平洋戦略への主導力を発表しました。私たちはこの地域の繁栄と平和にすることを目指しています。そのためには、接続確立する必要があります。回廊の国々では、より質の高いインフラを構築する必要があります。日本とインドはこれに非常に密接に取り組んでいます。私たちはインド近隣諸国でインフラを構築するために特別に協力し合い、アフリカで一緒にビジネスを行うことができます。インドは特に東アフリカで多くの経験とネットワークを持っているので、私たちはこの経験を日本企業で利用したいと思います。そのための技術と資金は日本は持ち合わせています。
問題点としては、インドの経験とネットワークを日本とどう結びつけるかということです。
インド政府と企業間で何らかの対話が必要です。対話をすれば具体策が出てくると思います。このように、私たちはアフリカ諸国において、より良い機会、より良いインフラを手に入れることが可能です。今後は、現在繁栄しているインド太平洋地域とより多くの人々との交流、技術協力、そして人材育成プログラムを持てればと思います。日本とインドは、インド、アフリカ、中東を取り巻く国の発展を共同で支援しています。日本とインドが協力すれば、かなり意欲的なプログラムであり、実現可能と言えます。これは、日印関係を強化するためのモディ政府との「Act East」相乗効果であり、戦略的目標です。
一部の人々はそれを中国のChina’s Belt and Road Initiative(シルクロード経済ベルト )に対する対抗策と見なしていますが、これはどのようにお考えになりますか?
平松氏 : 私たちは、国々がより良いインフラを持つことができるように可能なことをしているだけであり、その為に日本の技術と資金を使っています。日本は質の高いインフラを提供することができます。この周辺国々は開発のための選択肢がたくさんあります。私たちは他の構想戦略と競合したり対抗するのではなく、単にこの地域の人々の福祉とインフラ向上のために私たちが今できることをしています。